#3 クラムボンは、かぷかぷと

両手の平で包んだカップをゆっくりと鼻に近づける。 口もとから液体を流し込む前に、唇で止め、カップを顔の方にゆっくりと傾け、一息吐き、熱く満ちるその気体を思い切り吸い込む。 鼻の奥から喉元へ、白く茶色いその香りだけが抜けて...

#1 なんじゃもんじゃの見える席

7月のある日 16時30分 窓際の席、右側。 木漏れ日がノートに映る。夕方、という名前がついてもおかしくない時間なのに、はっきりとした強いコントラスト。明るい部分に書く文字はスポットライトを浴びているようで、日陰にいる文...