DNF#5 サブ3

サブ3。

ご存知の通りフルマラソンで3時間を切るやつ。出来そうでなかなか出来ないにくいやつ。フルのタイムを人に聞かれた時に“いちおう”って前に付けて言っても良さげなやつ。 フルをやるのであればまず一つ、多くの人が目指すやつ。30kmの壁という悪者をやっつけてやっと出会う事のできるヒーロー、それがみんな大好きサブ3。 フルを完走した事がある人のうち、2〜3%がこの領域だと言われている。

ワタクシごとで大変申し訳ないのですが、約1ヶ月近く前のレースで遂にサブ3を達成した。 冒頭からややはしゃいでいるのはその為である。でも本当に心の底から嬉しいのだ。おっさんになってからこんなに嬉しい事ってそうそうあるものではない。 ワタクシの場合、余計に生みの苦しみ期間もまあまあ長かったしね。 スピード的にはハーフで最低1時間 25分で走れないとまず達成は難しい。(そのスピードなくてもできる人はいますが目安として) きっちりとそこはクリアしてから挑んだのだが実に11度目のチャレンジ、期間にして3年半かけてようやく辿り着いた。そりゃ嬉しいに決まっている。 そしてまるで子供が誕生した時のように、まわりの人達も想像以上に喜んでくれたのがなんだか嬉しい誤算で、もう嬉し死んでしまいそうだ。死なないけど。 そんな初スリーの話しを今回は強引に勝手に語らせてもらおうと思う。

さて、早速だが今回何故達成できたか? 体調コンディションとしては、特に良い訳ではなかった。練習もこの大会に備えて十分に積んだ訳でもなく………… 4/14(日)に栃木県小山市で開催された『第11回 おやま思川ざくらマラソン』 フルは 1500人程のエントリーでフルマラソンとしては小規模大会。当日の天候は晴れ。スタート時(9時)で10〜11°C、ゴール時(12 時頃)は15°Cくらいの曇り。 マラソンには絶好の気温である。コースはカーブがやや多め、あと多少のアップダウンはあるが、基本的にはフラットコース。 確かに天気とコースには恵まれた。ただそれだけで達成できるのであればここまで苦労はしなかっただろう。

今回達成できた一番の要因は紛れも無く、サブ3のペースランナーがついた事だ。これに限る。もはや8割〜9割くらい彼のお陰と言っても過言ではない。 大会規模を考えると正直ペースランナーが付くのはまるっきり想定外。嬉し過ぎる誤算。はしゃぎ過ぎるおっさん。せっかくなので使わない手はない。 そんな訳で最前列からスタートし、彼の背中を誰よりも早く陣取る。入りの2km はキロ4 (4:00/km)、念の為ペースメーカーの彼にハーフ通過はどれくらいの 設定か聞いてみる。『3km までは貯金を作ってそのあとキロ 10秒くらいは落とします。』達成した事は無くともサブ3のペース配分を頭では分かっているおっさんには十分過ぎる回答だ。1時間27分〜28分のハーフ通過になるであろう。彼を中心に25人程のサブスリー集団が形成されレースは淡々と進む。 給水ごとに徐々に集団は少なくなり、30km 過ぎの時点では彼とワタクシともう一人の3人に。 『よし、ここからは3人で最後まで頑張りましょう!』と彼が鼓舞してくれたのに対し、『実はオレサブ3まだ一度も達成した事ないんです、30km からが課題で….』 と未達成者特有の、30km 以降に持つ不安を伝える。そうすると『大丈夫、このペースなら余裕ですよ!それに30km 過ぎて笑えてるので全然行けますよ!』と。 心強過ぎる。あなたに付いていきたいです、いや、付いていきます。自分が女だったら好きになってしまいそうなレベルだ 笑 そんな訳で 30km の壁は彼が受け止めてくれたお陰でぶつかる事はなかった。

彼の背中を追いかけ続けた 41km。そして遂にラスト 1km、フルマラソンでこんなに 楽しいラスト 1km はもちろんはじめて。いい時はこういうものなのだなと初めてのフル成功体験を噛み締めつつ、よっしゃあーっ!、と雄叫びをあげながらの歓喜のゴール。 こうして初スリー達成をした。(レース展開の詳細知りたい方はこちらからどうぞ。) ペースランナーの重要さ、そして有り難みをこれほどまでに実感した事はなかった。フルマラソンは特に必要な存在。 MCM(盛岡シティマラソン)でも是非つけて欲しい。(今回の彼を 笑) まあ1万人規模の大会なので予定はもちろんしていると思うが、 できればサブ 3、サブ 3.5、サブ 4、サブ5、サブ6あたりはやはり最低欲しいところ。サブ4あたりであれば逆にいつかやってみたいとさえ思う。

まずそういった訳で念願のサブ3を達成し、記念キーホルダーくらい作りそうな勢いで浮かれている訳だ。 これで秋の MCM では堂々とサブエガ狙って撃沈できるというものだ。サブエガのペースランナー募集中です、個人的にね。

いわて盛岡シティマラソンまであと173 日。

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