San Francisco Diary #3

街に夕暮れが迫っていた。

柔らかな光がぼうっと窓の外を照らし、しずかに一日が終わろうとしている。
ぼくはチャイニーズレストランの窓際の席で通りを思いおもいに歩いていく人々を眺めながら、青島ビールをちびちびと飲んでいた。少し肌寒くて、どこか物哀しいサンフランシスコの夕暮れ。やがてビール瓶は空になり、じわじわと体に温かな酔いが回っていくのを感じる。

ビールをもう一杯頼むのと同時に海鮮焼きそばが運ばれてきた。
オイスターソースの香ばしい匂いと安心できる食物のぬくもり。
ぼくはビールを待たずに黙々と焼きそばを箸で一気に平らげた。

会計を終えて店を出ると、すでに夜の帳が降りてきていてあたりはすっかり闇に包まれていた。ひとりとぼとぼと歩きながらホテルへ戻る道すがら、ぼくはたったひとりであることをまざまざと認識した。

誰一人知っている人間のいない街で感じる孤独。孤独は時として鋭敏な針金のようにわれわれの心を貫く凶器だ。それはひとの心を揺さぶり、正気である事を疑ってくる。
だがいま、旅をしながら感じている孤独感はむしろ開放感を感じる、とても心地の良い感情でそのやわらかな心のありようがサンフランシスコを歩くことと同義であるような気がしている。

RECOMMEND