「食べ物が血になるのって数時間。一ヶ月後の体は、今食べているものでできる」
少し早いバレンタインのチョコレートを買いに立ち寄った、紺屋町のcafuné(カフネ)さんで、店主と話したこと。
昨年9月に開催したMORIOKA BOOK CAMPの打ち合わせが佳境だった頃。初めてのイベントで手探りだったこともあり、心も体もかなり参っていたんだと思う、ご飯があまり美味しく感じられなかった時期があった。
「でも食べなくちゃ」、「ここが踏ん張りどきだ」というとき、cafunéのお弁当をたびたび買いに行った。
野菜を少しずつ口に運んで、もぐもぐしていると「食べたい」という気持ちが戻ってくる。
赤、緑、黄色、白。
甘い、香ばしい、サクサク、ほっくり。
お弁当のなかに詰まった、色と音と味を少しずつ体の中に。
気づくと冷たく空っぽだった胸の下あたりが、あったかいもので埋まる。
レジ前にある、いつもデザートに買うクッキー。がんづきもいいんだよなあ。
夏に寄ったとき、入り口の前に自転車を止めたら、店主が人差し指を立ててにっこりしながら外へ出てきたことがあった。
「バッタがね、お店に入ってきちゃって。外に連れて行ってあげようって思って声をかけたら、ここにのって、ずーっとこうしてるの笑」
虫って久しぶりにみたし、正直苦手なんだけれど、初めてバッタに共感した。「君の気持ち、よくわかるよ。店主のそばにいたいよね」と、さわれないので、アイコンタクトでバッタに伝えた。
LITERSに来ていただきありがとうございます。
食べる、って生きることだ。と近頃ますます思います。