A Day In Coffee Town– category –
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#11 盛岡市前潟2丁目1-10
打ち合わせ中の魔法の言葉。 「とんでもないこと、言ってもいいですか?」 そう言ってくれる人がいると、「とんでもない案」が続々と出てくる。 普段なら「これはこの場には合わない案かも」と思って躊躇するようなアイデアも、とんでもないことOKな空気だ... -
#10 盛岡市仙北2丁目10-18
「動けないときってありますよね」 「うん、動けないでいるときって、とにかく周りが気になってしょうがない」 「そう、SNSみて、わたしだけ…できてない…って思ったり、同業の人と比べたり。なんでもはっきり見えすぎるんだよね」 「でも動き出すと、周り... -
#9 盛岡市本宮松幅12-3
遠くに小さく、一人と一匹が見えたときから、「なんだか楽しそうなのとすれ違うな……」とは思っていて。 頭に音符マークを浮かべて、数歩すすむごとに高く跳ねながら、こちらとだんだん近づいて。 真っ白な雪道で、前にも後ろにも人がいない中、飼い主のお... -
#8 盛岡市長田町12-11
外からみると学校のようにみえる。 キンコーンカーンコンと始業のベルが聴こえてきそうな、福田パン長田町本店。 ご近所には岩手大学、盛岡一高、岩手医大、岩手中、岩手高校、河北小学校。 休日で学校も休みのはずなのに、学生服を着たこどもたちが多かっ... -
#7 南大通1丁目12-17
この白い鉄塔、冬はことさらに男前だということに気づいた朝。 きらびやかは、ときどき見たい。 真っ白は毎日、毎日見たい。 雪道を歩いていると、光のかたまりに出会えることがある。 どこからきたのかはわからない。さがしたけれどわからなかった。 満月... -
#6 北上川沿い
朝8時すぎ。今日の盛岡。 日差しだけなら暖か。バスがなかなか来なくて、隣に立っていたおばさまと「こないですね」と立ち話。 雪の日は仕方ないわよねえ、なんて話して、一瞬、同士のような気持ちが芽生えたのもつかの間。実は目指す行き先は違ったよう。... -
#5 前九年二丁目5-1
午前中の仕事の後で立ち寄った。まだ新しい環境に慣れなくて、お腹も空いていたし、寒いせいか肩にぐっと力が入っていた。お店の中は、私一人。靴を脱いで、あの一番奥の席で本を読みたい、とも思ったのだけれど。こないだ、一人壁に向かうこの席でご飯を... -
#4 盛岡八幡宮へ
遅めのお昼を終えて、盛岡八幡宮まで歩き出した。初詣は外にいる時間が長いし、子どもたちにスキーウェアを着せて行く年も多いけれど、今年はスニーカーだ。 ふたりはスキップをして、走って、それを眺めながら私は歩いて、10分ほど。 バス乗ろうか! と... -
#3 クラムボンは、かぷかぷと
両手の平で包んだカップをゆっくりと鼻に近づける。 口もとから液体を流し込む前に、唇で止め、カップを顔の方にゆっくりと傾け、一息吐き、熱く満ちるその気体を思い切り吸い込む。 鼻の奥から喉元へ、白く茶色いその香りだけが抜けていき、それが一口目... -
#1 なんじゃもんじゃの見える席
7月のある日 16時30分 窓際の席、右側。 木漏れ日がノートに映る。夕方、という名前がついてもおかしくない時間なのに、はっきりとした強いコントラスト。明るい部分に書く文字はスポットライトを浴びているようで、日陰にいる文字のほうを応援した...