外からみると学校のようにみえる。
キンコーンカーンコンと始業のベルが聴こえてきそうな、福田パン長田町本店。
ご近所には岩手大学、盛岡一高、岩手医大、岩手中、岩手高校、河北小学校。
休日で学校も休みのはずなのに、学生服を着たこどもたちが多かった。テストかな。
1m近くある白い靴下をいかに可愛くダボダボさせるかに、時間とお金をかけていた高校時代の自分を思い出した。今の高校生は、スカート丈や靴下で自己主張することはないんだな。そのぶんのあの頃特有の甘辛い自意識過剰さはどこへ行くのだろう。 SNS?
「魅せたい」場所はもうスマートフォンの画面の中なのでしょうか。
「パ」の一画目のふにゃりとした線は、フランスパン? 丸いのはドーナツにも見える。「ン」の一画目はバターロール? かしら?
一番人気はあんバター。知ってます知ってます。けれどせっかく本店に来たんだもの、ここでしかできない組み合わせがしたいじゃない…。じーっとお品書きを眺めて、お気に入りの具を頭の中で足したり引いたり。
悩むわたしや観光客の横を「先にいいかしら?」と一声かけてすり抜け、颯爽とレジまで進み「あんバター6つとピーナツバター6つね!」と、バーーンと頼んでいる方をみかけると「ザ 盛岡人」を見ているような気持ちに。
わたしはまだまだ。子どもたちと悩む。
外で体が冷えたので、店内のイートインスペースで食べてから店を出ることにした。
注文を待つ人を眺める。
観光で盛岡にきたのだろうか。福田パンでおながいっぱいになって次が大丈夫か、余計なお世話ってわかっているけれど心配になってくる。
冷麺もわんこそばも、パァクのホットケーキも、じゃじゃ麺も、梅月堂のお菓子も、もちろんあそこのお店の珈琲だって。
盛岡に限らないが、旅をして、その土地の美味しいものを全部食べられるわけではないんだよなあ。
悩んだ末に、クッキークリームを頼んだ娘。
手が小さいので別注サイズに見えてしまう。頬張る顔の写真は迫力満点のため自粛。
今日もLITERSにお越しいただきありがとうございます。
ふかふかのコッペパン、小さい手の記憶にはどんな感触が残るのでしょうね。いつか大きくなった娘に聞いてみたいです。