”大切なものは目には見えないんだよ”という、「星の王子さま」に出てくる言葉。
最近なるほどなあと、改めてしっくりきている。
星の王子さまが私の本棚に並んだのは15年前。幼児教育を大学で勉強していたころ、大通りのさわや書店のお隣にあったMOMOで買ったんだ。たしか、不思議の国のアリスの大掛かりな仕掛け絵本と、フレデリックと一緒に、スタバのお給料日に。
ながいこと、俗に言う「潜在保育士」だったが、昨年から午前中は保育士をして、午後はそのほかのお仕事をしている。
子どもたちと過ごす、お昼寝までの時間。給食をみんなで食べて、歯磨きをしてパジャマに着替えて、絵本を読んで「おやすみなさい、いいゆめみてね」と、お布団へ。子どもたちの間に入ってトントン、トントンと、右、左、右、左。頭を撫でたり、背中をさすったり、「ゆりかご」の歌を静かに歌っているうちに、子どもたちは一人、また一人と夢の中へ。
ニュースで取り上げられたりもしているので、知っている方も多いかもしれないが、保育園では、お昼寝中も数分おきに眠っている子どもたちをチェックしている。SIDS(シッズ)乳幼児突然死症候群を予防するためだ。寝息や態勢、顔色、胸の上下、カーテンを閉めた薄暗い部屋でじーっと目をこらす。
働き始めてすぐの頃、「寝息を聞こう」と思って近くに寄っても、なかなか、聞こえなくて。聞こえないというか、私の耳まで届かない。手を子どもの口元にかざして、あたたかい息が手にかかるのが分かって、やっと耳に寝息が音として入ってくる。
でも最近はそばにいくと、その子の寝息がわかる。
寝息をたてている子どもたちはずっとかわらないはずなのに、前はなぜ聞こえなかったんだろう。なぜ今は耳に届くんだろう。
そんなとき、星の王子さまのあの言葉を思い出していたのでした。
あるのに、見えないもの、聞こえないもの。
風の音、冬の名残、春の気配。
誰かの優しさ、悲しさ。
自分の強さ、弱さ、狭さ、広さ。
「感じたい」と思いながら、何度も繰り返し触れる。わからなくても、なんども。
こちらを先にひらく。余白、余裕を持つ。
そうしているうちに、わかるのかな。そうだといいな。
日付変わって昨日 3/27は、菜園にあるHolzさんの15周年。
星の王子さまを買って、スタバで緑のエプロンしていたころがまさに15年前。かっこよすぎて、あのころのわたしには入れなかったお店でした。
今こうして、おめでとうと言えることが嬉しいです。
今日もLITERSに、来ていただいてありがとうございます。
記念日、とか、誕生日とか、いいことあった、とか。いいですよね。たくさん「おめでとう」をしたいです。